育毛シャンプーの裏ワザ
シャンプーでリンスまで1回でできてしまうのは便利ですが、どうもセット・整髪が思い通りにできません。
髪が思うようにコントロールできないからです。
そうすると、シャンプー時間を短縮したとしても、セット・整髪に時間がかかり、ドライヤーのかけすぎ(オーバーブロー)の原因になってしまいます。
プロの料理人が塩・コショウが混ざって1本の容器に入っているものを使わず、別々に使い分けることに似ているかもしれません。
髪は生きている天然繊維なのです(ある皮膚科の医師は死んでいると言いますが)。
意外に思われる人もいるかもしれませんが、野菜と同じに考えてもらえばいいでしょう。
味つけを例にしてみますと、舌には神経があるので違いを判断しやすいと思います。
たとえば、何かの料理で考えてみましょう。
水を入れた鍋に火をかけ、温度上昇中に「こんぶ」「乾物小魚」「みりん」の順序で調味料を入れ、しかるべき野菜をある順序で入れて火を落とし、温度下降中に「しょうゆ」を入れ、温度が降りきったところで最後に「やくみ」を入れるとします。
これらの順序・入れるタイミングは、どんな味にしたいかを逆算することによって手順が決まってきます。
一方、これら全部を1回で鍋に入れ、火をかけ温度上昇させたとします。
この2つを精密な食品分析器で測定すると、おそらく全体的な成分は同じだと思います。
ところが、味には大きな違いがあることが想像できます。
舌には神経があるから直接感じるのです。
しかし、髪には神経がないため、直接感じることはできません。
したがって、世の中にはいろいろなヘアーケア商品が氾濫し、何が良いかわからなかったり、または無関心な人も多いと思います(この本を読んでいる人は別かもしれませんが)。
ですから、リンス(コンディショナー)入りシャンプーと、シャンプーをした後でコンディショナー(リンス)をすることの違いを感じない人がいても当然です。
ところがプロである私たちは、頭皮の状態、髪のコンディション、セット、整髪のしやす
さ、見た目のきれいさ、手触わりなどを、「味」と同じように立体的に感じ取って、シャンプーとコンディショナー(リンス)を別々に使っているのが現状です。
そして個人的な疑問ではありますが、リンスのいらないシャンプーを売っているメーカーが、これとは別にリンスを売っていることも不思議だと思っています。
洗顔用の石鹸などでも、洗い終ったら栄養クリームに変わるものなどを、なぜ出さないのでしょうか。
リンス入りシャンプーは、神経のない髪だから作れたのかもしれません。
神経のない髪だからこそ「見た目のツヤ」「手入れのしやすさ」「ボリューム感」「手触わり」などを、日々、注意しながら感じ取ることが大切です。
そして、髪は文句も言いませんが、なんらかの悪条件が続けば、いつか黙ってあなたの頭皮から離れていってしまうかもしれません。
いたわりをもって、限られた資源を大切にしてあげたいものです。
くせ毛・縮毛・直毛との違い
遺伝的に髪を見てみますと
くせ毛優性遺伝
直毛劣性遺伝
で、いつか日本人はみんなくせ毛になっていくのです。
ちなみにへ目のふたえも優性遺伝なので、ひとえもいつかいなくなるのです。
人種混合の先進国ニューヨークやブラジル、リオデジャネイロなどでは、もうほとんどの人がくせ毛、ふたえです。
日本でも3月3日のおひな祭り、5月5日のお節旬の人形のような女の子、男の子は最近
見かけなくなって久しいのです。
直毛とくせ毛はどのようにして、そうなるのかを簡単に説明しておきましょう。
髪が生まれる過程は「血液、毛管血管、毛根、髪」になりますが、毛根と頭皮との間の形が「ところ天の型」だと思ってください。
直毛はその型の内側がまっすぐなので出てくる髪もストレートな髪になります。
一方、くせ毛は型が少し曲っているので出てくる髪も少し曲って出てきます。
この型の曲り具合でくせ毛の弱い強いが決まってきます。
縮毛は型の内側がらせん状にねじれているので、出てくる髪も太い細いが混じり合った髪になります。
平らな面ではないので光の反射率も低く、ツヤがなく見えるのです。
髪を輪切に切ったとしますと、直毛は真円に近く、くせ毛や縮毛は断面が楕円で、偏平率
が高いほどくせは強くなっていきます。
BとCがいっしょになった形を持つと、くせ毛・縮毛と呼ばれる髪で、曲り(ウエーブ)ながらねじれた髪と思ってください。
一般に、頭髪10万本すべてが完全な直毛(A)の方は今ではごく少なく、長髪にすると軽い
くせが出るような人が大半です。
そして、一個人で見てもあるところは直毛で、あるところはくせ毛という人も多いようです。
そして、昔は直毛でも今はくせが少し出てきたとか、また、その逆だったりと、髪には髪の生き方があるようです。
自分のクセが好きな人は問題ないのですが、くせが出るのがきらいな人はどうすればいい
でしょうか?ほとんどの日本人の髪は濡れているとき直毛状態で、乾くとくせが出るとい
うパターンが大半です。
したがって、髪が乾燥しすぎないように保湿するように心がければ意外とくせは出ないものです。
薄く見えないためのヘアーデザイン「髪が薄い」ことと「薄く見える」
「見ること」と「見られること」私の仕事(美容師)は、大別すると2つの分野に分かれます。
ひとつは「頭皮・毛髪をいかに健康に保つか」、もうひとつは「見せる・見られるためのヘアーデザイン・ファッション」です。
この2つは、私にとって別々に考えるべきものではありません。
また、髪の健康にとっても、両者は分かちがたいものであると思っています。
しかしこの事では、頭髪を中心として「見ること」と「見られること」を考えながら、「薄い」と「薄く見える」との違いをデザイン・ファッション面から見ていこうと思います。
自分の目で何かが見えるということは一見何気ないことですが、人間の目は何をもって見えるのでしょうか?逆に、他人から見られることについて人は必要以上の意識を持ちすぎているのではないでしょうか?
頭髪が薄くなってきた人は、他人が自分の薄いところばかりを見ているように思ってしまい、薄いところを隠すようなヘアースタイルを取りたがるものです。
人間は弱い部分をたくさん持った動物でもありますから、このような気持ちはたいへん良くわかります。
しかし、ちょっと待ってください。
薄い部分を隠すためのヘアースタイルは、あなたが鏡の中のあなた自身を見ながら工夫したものではありませんか?つまり、人があなたを見る場合、正面のアップ(鏡の中のあなた自身)ばかりを見ているわけではないということです。
人はあなたを、さまざまな距離、角度から見ているのです。
また、前の章で触れたように、薄い部分を隠そうとして、いつも同じ髪型でいることは、
髪の毛の健康にとって良いことではないことも忘れないようにしてください。
このお話は、1億年前までタイムスリップしたところからはじまりますが、おつきあいく
ださい。
太古の昔から種を絶やさず現在まで生き抜いてきたということはそれぞれの環境に順応してきたと言えばそれまでですが、それぞれの種には他にない固有の特長が必ずあり、それをいかに有効に使ってきたかが繁栄・衰退の分かれ目だったと思います。
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